福福通信|しゅうまい奉行公式ブログ
2025.12.16
京都のシュウマイとは何か|鳳舞の系譜と現代の京焼売【京都点心福】

京都のシュウマイとは何か
― 鳳舞の系譜から、いま食卓に届く京焼売まで ―
京都の町で、なぜシュウマイが愛されたのか
京都で外食といえば、懐石や京料理を思い浮かべる方も多いかもしれません。 しかし、実際に京都の人々が日常的に選び続けてきた料理のひとつが「中華料理」です。
その中でもシュウマイは、特別なご馳走ではなく、日々の食卓に自然と溶け込む存在でした。 にんにくは控えめ、油も控えめ。 食後に重さを残さず、何度でも箸が伸びる味わい。
派手さはありませんが、静かに、確かにおいしい。 シュウマイは、京都の食文化と非常に相性の良い料理だったのです。
鳳舞系が築いた、京都中華の背骨
京都の中華料理を語る上で欠かせない存在が、かつて紫明通にあった広東料理店「鳳舞」です。
鳳舞が築いたのは、京都という町に合わせた中華料理のかたちでした。 花街や座敷文化に配慮し、強い香りを避け、油や香辛料を抑える。 その代わりに、素材の旨みと余韻を大切にする料理。
鶏ガラに昆布を合わせたスープ、やさしく整えられた味付け。 その思想を最も端的に表していた料理のひとつが、シュウマイでした。
系譜は終わらない。京都の焼売はいまも作られている
鳳舞は閉店しましたが、その考え方まで失われたわけではありません。 弟子から弟子へ、店から家庭へ。 京都中華の思想は、形を変えながら今も受け継がれています。
時代が進み、食卓の形も変わりました。 外食だけでなく、自宅で手軽に、安心して食べられる料理が求められるようになった今、 シュウマイは再び日常の料理として選ばれる存在になっています。
現代の京焼売が守っているもの、変えたもの
守っているもの
- 素材の味を活かす、引き算の調味
- 香りを立てすぎない設計
- 一粒で成立する満足感
変えたもの
- 家庭で再現できる調理のしやすさ
- 冷凍しても崩れにくい包み
- 忙しい日常に寄り添う利便性
京都の焼売は、考え方を守りながら、技術によって暮らしに近づいてきました。
京都のシュウマイを選ぶ、ということ
京都のシュウマイは、「特別な日に食べる料理」ではありません。 旅先で出会い、持ち帰り、やがては自宅の冷凍庫に常備される存在。
何でもない日の食卓に、静かに寄り添う一粒。 それこそが、京都らしいシュウマイのあり方です。
京都の焼売を、ご自宅の食卓へ
京都の中華思想を受け継ぎ、現代の暮らしに合わせて仕立てた京焼売は、 冷凍庫にあるだけで、食卓の選択肢を静かに広げてくれます。
無理のない味、毎日でも食べられる設計。 京都の焼売を、ぜひご家庭でお楽しみください。
京都の焼売は、文化である
京都の焼売は、声高に語られることはありません。 派手な演出もありません。
ただ、続いてきました。 町の暮らしに合わせ、食卓の変化に合わせ、形を変えながら。
料理である前に、文化である。 それが、京都のシュウマイです。