小庭に舞い戻るアゲハの理(ことわり)
町家の小庭に一本の柑橘。葉わずかなれど、雌のアゲハは香りと気配を頼りに卵を託す。 やがて幼(いとけな)き虫は葉を食み、蛹となり、また空へ。 これは記憶にあらず、環境の整いが呼ぶ“自然の掟”にて候。
「戻る」のではなく「選ばれる」。小庭が良き場であれば、世代をまたいで舞い継ぐのである。
蝶の営み、点心の継承に通ず
蝶が命を手渡すように、点心の業(わざ)もまた受け継がれる。 若き職人は素材と包みの理を学び、鍛錬を重ね、やがて独自の工夫をものにする――まさに羽化のごとし。
京の「たまご春巻き」は、その継承の結晶。卵たっぷりの衣を黄金色に揚げ、外はさくり、中はふんわり。 野菜と具の旨みを封じ、酒席にも日々の膳にもよく効く。
黄金色のたまご春巻き、拙者の勧進
京都点心福の春巻きは、職人手包みの一本仕立て。冷凍で備え、油を温めてさっと揚げるのみ。 湯気の向こうに立ちのぼるは、京の暮らしに根付いた“物語の味”にて候。
- 卵の旨み薫る黄金の衣――軽やかな香ばしさ
- 手包み整形ゆえ食感が整い、口当たり秀逸
- 冷凍常備で忙しき折も“揚げるだけ”のご馳走