福福通信|しゅうまい奉行公式ブログ
2025.09.19
いけず石と点心の美学──京都の“控えめ”が守る味

いけず石と点心の美学──京都の“控えめ”が守る味
京都の町家の角に、ひっそりと佇む「いけず石」。
道ゆく人や車に「そこは通らんといてな」と、やんわり伝える無言のしつらえ。
京都点心福の点心もまた、ひと口食べてはじめてその真価が伝わる、控えめなる一品。
焼売・餃子・春巻・水餃子・大根餅――
いずれも薄皮の奥に、手間と滋味をそっと秘めております。
京の点心は「いけず石」である。
- ● 焼売:湯気に旨味を閉じ込めた、職人の沈黙。
- ● 餃子:香りと食感の「攻め」と「守り」。
- ● 春巻き:外はパリッと、中はやさしき京野菜。
- ● 水餃子:つるりと喉ごし、じんわり沁みる。
- ● 大根餅:見た目地味、されど香ばしき隠れ主役。
「そこは通れまへんえ」と言いつつ、
その道の奥にこそ、“ほんまもん”がある――
それが京のいけず、そして京の点心でござる。
路地の角に黙して立つ石あり、
膳の端に湯気を立てる点心あり。
控えめにして、主役以上。
――しゅうまい奉行