福福通信|しゅうまい奉行公式ブログ
2025.09.22
白彼岸花と塩焼売|秋分の候に清き一膳(京都点心福)

【奉行記】白彼岸花と塩焼売|秋分の候に清き一膳
秋分の折、田の畦に咲く白彼岸花。その凛とした姿は、まるで月影のごとく清らかにて候。拙者がすすめ申すは、その趣に通じる「塩焼売」。豚肉の旨みを塩のみで引き立て、淡く澄んだ後味は白き花と響き合うのでござる。
白彼岸花の物語
赤は炎、白は月――。彼岸花の白きものは、赤き曼珠沙華と異なり、静けさと清廉を象徴する花にて候。花言葉は「また会う日を楽しみに」。この想いを食卓に映せば、秋の一膳はひときわ趣深きものとなり申す。
塩焼売の妙味
塩焼売は華美なる調味を排し、素材の輪郭を引き出す仕立て。噛むごとに旨みがじんわり広がり、後口は清らか。まさに白彼岸花の姿を写したかのような、静かな力強さを備えた点心にて候。
秋分の献立提案
- 主菜:塩焼売
- 副菜:菊花と春菊のお浸し
- 汁物:松茸の澄まし汁
- 飯物:栗ご飯
- 水菓子:梨
赤き彼岸花には「鬼辛焼売」を、白き花には「塩焼売」を。陰陽二色の妙味、ここに候。