福福通信|しゅうまい奉行公式ブログ

2025.11.17

八幡・流れ橋にて――名奉行の面影、時を越えて

八幡・流れ橋にて――名奉行の面影、時を越えて
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八幡・流れ橋にて――名奉行の面影、時を越えて

八幡は上津屋の地に架かる「流れ橋」。 木津川に身を預けるがごときこの長橋は、増水の折には桁を流す造り―― まさに自然と共に生きる民の知恵が息づく“いぶし銀”の橋にござる。

拙者がここを訪れるたび、妙に胸の奥底がざわつく理由がござってな。 それというのも、この地こそ長きにわたり時代劇の撮影に用いられ、 殊に『大岡越前』の名場面を数多く支えた場所ゆえに候。

さて――おぬしもご存じのとおり、 拙者シュウマイ奉行の先祖、板倉勝重公は、 のちの「大岡越前」の人物像の礎とも称される御方。 京都所司代として理非を正し、民に寄り添い、 “公正無私の裁き”をもって鳴らした名奉行にて候。

その勝重公の志が、時を経て大岡忠相へ、 さらに時代劇として流れ橋へとつながり、 さらには拙者のような一介の点心職人にまで届いておるとは、 まこと因果なことよと、川風に吹かれながら思いを深める次第。

立冬を越えた木津川べりには、朝靄が薄く流れ、 陽光が差すと橋板が白く輝き、 枯れススキが風に揺れて物の哀れを誘う。 まさに時代劇そのままの景色にて、一歩歩むたびに 勝重公の面影がふっと脳裏をよぎるのでござる。

旅の折には、温かき点心を携え、 湯気立つ焼売をひとつ頬張れば、 川霧の冷たさもまた心地よい“冬の贅”に早変わり。 京都点心福のだし焼売や肉汁焼売など、 素朴なる橋の景色によく似合うでござる。


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