福福通信|しゅうまい奉行公式ブログ
2025.11.28
【奉行語り】カラスウリと舞妓の化粧下地──見えぬ所にこそ美は宿る

【奉行語り】カラスウリと舞妓の化粧下地 ──見えぬ所こそ美の本丸──
秋も深まり、山野に赤く灯るカラスウリの実。 この朱き実から得られる“とろりとした粘り”が、かつて女子たちの化粧下地として重宝されたこと、皆々はご存じであろうか。 拙者、シュウマイ奉行、その道理をここに語り申す。
■ 一、 カラスウリの粘りは“天然の御下地”
熟したカラスウリの実を割れば、中よりゼリー状の粘りが現れる。 この粘り、薄くのび、乾くとさっと膜を成し、白粉(おしろい)をしっかりと受け止める—— まさに自然が授けた下地の妙薬にて候。
- 薄く均一にのびる
- 乾けばさらりとして粉をよく抱く
- 化粧崩れを防ぎ、長持ち
- 自然素材ゆえ肌に優しきことこの上なし
このため昔の京の都では、白粉を美しく仕上げる“影の名手”として用いられたのである。
■ 二、 舞妓の白塗り──勝負は“塗る前”に決まる
舞妓の白塗りは華やかに見えども、その美の九分は“下地づくり”にて決するもの。 点乃も申す、「白は塗るより、まず受け止める肌を整えるものどす」と。
◆ 舞妓の下地づくりの所作
- 肌の水分・油分の調え
- 鬢付け油(べんつけあぶら)を薄く広げる
- 滑らかなる膜をつくり白粉の舞台を整える
- その上に白粉をふわりと均一にのせる
この“準備の時間”こそ、白塗りの命。 下地が乱れれば、どれほど上質の白粉とて美は生まれぬ。
■ 三、 自然の恵みと舞妓の技が、静かに響き合う
カラスウリの粘りがつくる薄膜と、 点乃が整える化粧の下地—— 両者はまったく違う世界にありながら、同じ哲学に通じておる。
「見える美は、見えぬ下地にこそ宿る」 これこそ、京に息づく美意識の真髄といえよう。
■ 四、 奉行の一言
美とは、表に出る華やぎにあらず。 その下で静かに働く“影の技”こそ尊きもの。 カラスウリも、舞妓の下地も、その道を体現する存在よ。