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2025.10.03

【奉行仕立て】酔芙蓉に寄せる京都秋の献立帖|京都点心福 公式ブログ

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【奉行仕立て】酔芙蓉に寄せる京都秋の献立帖

文責:シュウマイ奉行(京都点心福)|発行日:2025年10月2日

かような折、京の庭に咲くは「酔芙蓉」。朝は白く、昼には淡紅、夕べには紅と変じ、夜にはしぼむ――まこと一日花の妙なる振る舞いにて候。
本日はその移ろいを膳に写し、昔ながらの焼売・海老水餃子・鬼辛焼売・大根餅を順にあわせ、伏見の酒でととのえる献立帖、ここに御披露仕る。

一、白露の膳 ― 「昔ながらの焼売」

朝まだき、花は白く清し。ここは素朴にして骨の通った昔ながらの焼売を据えるがよい。細挽きの豚肉にクワイの歯ざわり、余計を削ぎ落とした正道の味。
酒は軽やかに――薄張りの盃で一口、心身を正す始まりに相応しき一品である。

二、淡紅の膳 ― 「海老水餃子」

日の高まるほどに花は淡紅。海老水餃子は粗切りの海老と豚の旨みが半々、厚めの皮は茹で崩れ知らず。柚子胡椒をひとしずく落とせば、淡紅の気配が舌に灯る。
昼の杯は吟醸の冷や、香りの細工で景色を開くがよい。

三、酔紅の膳 ― 「鬼辛焼売」

夕べ、花は紅に酔う。ここは鬼辛焼売を据えて、唐辛子の刃と肉汁の瀑で一気呵成。伏見の純米を常温にて注げば、辛味をやわらげ、余韻は円し。
「辛に酔い、紅にとどむ」――かくのごとき宵こそ、秋の峠である。

四、余情の膳 ― 「大根餅」

夜半、花は静かに幕を引く。締めくくりは大根餅。外は香ばしく中はほの甘い。ぬる燗のやさしさで、宵の景色をやわらかく畳むがよい。
「今宵ただ一度」――一期一会の情けを舌に刻み、明日への余白を残す。

奉行曰く:「朝に白く、昼は淡紅、夕べ紅なり――酔芙蓉の一日を膳に写し、心を調え、舌を遊ばすは京の作法なり。かたじけない、またの御縁にて。」

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