2025.11.05

小雪過ぎ、空しんと澄み渡るこの頃、 京の台所にて、ひそやかに名乗りを上げる果実あり。 それが、国産の京檸檬にござる。
久御山、南山城、そして舞鶴。 やや小粒ながら、皮まで使える凛とした香り、 まさに武士道のように清(すが)しき果実。
酸を立てず、旨味を抱きとめる一手。 肉汁の甘みと手を取り合い、膳に静けき品を授く。
ひと口で、油断ならぬ切れ味。 寒夜の道をまっすぐ進むが如し。
まろやかにして、老若問わず好まれる。 海老焼売にも相性この上なし。
檸檬はただ酸を添えるのみならず、 湯気の中に香りを立ちのぼらせ、 焼売の旨味を清々しく照らす名脇役。
京に根づく新しき香りと、 蒸籠に満ちる湯気の温もり、 どうぞ存分にお楽しみくだされ。