2025.11.06

霜月の夜、満月過ぎてなお冴えわたる十六夜(いざよい)。 空気は澄み、風はわずかに冷たく、冬立つ気配が忍び寄り申す。 伏見の丘の上に、黄金の円が静かにのぼりて、世を照らし候。
今宵の膳には、京都点心福の肉汁焼売を蒸し上げ申した。 立ちのぼる湯気、ふくよかな香り、ひと噛みすれば肉汁したたる妙味。 これを月光になぞらえ、満月をいただく心地にござる。
月を喫す 蒸気にゆらぐ 冬の端
用意するもの(焼売2〜3人前)
卵黄1/醤油小さじ2/みりん小さじ1/酢小さじ1/2/胡麻油少々/白すり胡麻/七味適宜
仕立て方
1. 小鉢に卵黄を落とし置く。
2. 調味を静かに注ぐ。
3. 食す直前に箸先で月を割り、焼売に纏わせるべし。
とりわけ肉汁焼売に合う妙味。 卵黄の甘香、だしの余韻、肉の旨味が混じり、まさに“月の滴”である。
用意
卵黄1〜2/醤油大さじ2/みりん大さじ1/酒大さじ1
※みりん酒は火にてひと煮立ち、冷まして用いると尚よし。
仕込み
1. 調味を合わせ器にひたす。
2. 卵黄を沈め、ひと晩冷所にて静置。
3. 翌朝、ぷるり輝く珠となる。
これを肉汁焼売の天に戴き、そっと割り申せば、 湯気とともに黄金の雫が流れ、口中に福が広がる。
卵黄の旨味、捨て置くは無粋にて候。
月を仰ぎ、湯気を囲み、静かに噛みしめる冬の入口。 これぞ、心を整え、身を温める最上のひととき。 次の満月にも、また肉汁焼売を蒸し上げ、月の珠を割り申そう。
湯気やわら 満つる月影 手にすくう