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2025.10.29
【奉行版】黄金の秋を染むる背高泡立草 ─ 暮らしに活かす五つの作法|京都点心福

【奉行版】黄金の秋を染むる「背高泡立草」──暮らしに活かす五つの作法
いざ、秋も深まりて野辺は金色の波。背高泡立草――世にセイタカアワダチソウと呼ばれる客人、見た目の勢いに似合わず、暮らしに利ある才を秘め申す。ここに拙者、五つの作法をしたため、皆々に伝え置く次第。
一、ハーブとして嗜む──香り整えて身を労(いた)わるの段
西洋では“ゴールデンロッド”と呼ばれ、古より茶として親しまれて参った。花穂と若葉を陰干しにし、熱湯を注げば、ほの苦みと青き香。蜂蜜ひとたらしで、喉にもやさし。
拙者流・一服の手立て
- 乾いた花穂ひとつまみ(1〜2g)を急須へ
- 熱湯150〜200ml、三〜五分ほど静かに蒸らす
- 湯気の香りを先に楽しみ、ゆるりと一献
※体調・服薬の折は、事前に専門家へ相談あれ。なにごとも過ぎたるは及ばざるが如し。
二、草木染めに仕立てる──黄金(こがね)色を布に宿すの段
花を煮出せば、やわらかなる黄金の染液が得られる。木綿・麻の布に相性よく、ミョウバン媒染にて色合い安定。秋の手拭い、敷布、暖簾にもよろしかろう。
基本の手順
- 乾燥花30gを水1Lで30分煮出し、漉す
- 素洗いした布を二十〜三十分、静かに煮染め
- ミョウバン媒染→よくすすぎ→陰干しにて仕上げ
三、飾りに活かす──乾(から)びてもなお、趣は残るの段
花房を逆さに吊し乾かせば、金の穂は凛として崩れにくい。柳や葡萄の蔓に合わせ、松ぼっくり・麦穂を添えれば、座敷もたちまち秋の設え。ポプリにすれば、ほの甘き余香が残る。
四、蜂の糧(かて)となす──晩秋の蜜源の段
霜降から立冬へ、花少なき時節に咲くがゆえ、ミツバチにとっては貴き膳。琥珀色の蜜はややスパイシー、冬越し前の力となる。自然の循環、まこと見事なる連携にて候。
五、土を育てる──緑肥として還すの段
刈りて乾かし、細かく刻んで堆肥に混ずれば、有機を増し、土ふくよかに。荒地の符号と侮る無かれ、扱い正しければ畑の助け手となるもの也。
結び──読み物ののち、湯気の膳へ
黄金の穂を眺め、京の風を胸に吸えば、自然と湯気恋し。ここは一献、点心でもって心身温め申そう。拙者が勧めるは、味わい賑々しき「点心39点セット」。家族寄り合いにも、贈答にも、面目躍如の品にて候。
※ 本稿は公式商品ページを正準(canonical)と致す。価格・在庫は各販売所の記載が最終也。
――草の利用は、常に安全第一。体調や環境に配慮し、無理なく、節度を守ってお愉しみあれ。