黄金の南瓜(なんきん)と、澄みのだし焼売
秋の献立帖|京都点心福×シュウマイ奉行謹製
🎃 一、名の由来と渡来の歴史
南瓜(かぼちゃ)は南アメリカ・メキシコを原産とし、十六世紀、ポルトガル商人によって日本へ伝わった。カンボジア経由で運ばれたため、「カンボジア瓜 → カボチャ」と呼ばれるようになったのじゃ。
江戸期には「南瓜煮」「南瓜田楽」として京の町人の膳に上り、保存野菜として冬至の中風除けに用いられるようになった。
🍠 二、種類と特徴
系統 | 特徴 | 代表例 |
---|---|---|
西洋かぼちゃ(クリ系) | 甘味が強くホクホク。 | 栗かぼちゃ、えびす、みやこ |
日本かぼちゃ | 水分多くねっとり、煮崩れしにくい。 | 鹿ヶ谷かぼちゃ、黒皮南瓜 |
ペポ系 | 観賞用やズッキーニなど。 | おもちゃかぼちゃ、ズッキーニ |
京の「鹿ヶ谷かぼちゃ」はひょうたんのような姿で、炊けば崩れず、舌にやさしい。夏から秋へと移ろう京の風情を映す野菜でござる。
🍢 三、京の膳 ― だし焼売と南瓜の膳
主菜:京都点心福「だし焼売」
国産豚と九条ねぎを京だしでまとめた職人手包みの逸品。ふんわり立つ湯気とともに、だしの香が広がる。電子レンジで包装袋のまま3分――手軽に本格の味が楽しめる。
- 袋を開けずに電子レンジへ(500Wで約3分)
- 加熱後、袋を開けて器に盛る
- 柚子皮を添えれば料亭の趣に
「湯気とともに香り立つ、京のだし。簡単ゆえに、心尽くしの味わい。」
副菜:鹿ヶ谷かぼちゃの白だし煮
- 鹿ヶ谷かぼちゃ……200g
- 白だし……100ml、水200ml、みりん大さじ1
弱火で10分ほど柔らかく煮、葛粉でとろみをつけて仕上げる。黄金色の艶が、秋の月のように膳を照らす。