京都点心福の通販はこちら

福福通信

2025.05.14

【竹の花、百年にして咲く】

 ──竹は、百年に一度、花を咲かせると申す。
その花ののち、役目を終えた竹は静かに枯れていく……。

今年は伏見の竹林でも、その兆しが見られる。
琵琶疏水の水面(みなも)に映る、竹の影もどこか儚げじゃ。

「奉行はん、実は……あれ、花粉でしてん」
「ほう?竹もイネ科ゆえ、花粉が飛ぶか」
「この時期、目ぇとか鼻とか、えらいことですわ……」
「……点乃よ、風情と花粉症は、共に受け止めるが粋というものじゃ」

枯れゆく竹の年は、タケノコも少のうてな。
だが、こんな年こそ、食の道に手を抜かぬが奉行の務め。
竹に習い、潔く、そして粛々と。点心一つに春の命を込めて包むのじゃ。

  1. 京都点心福の会社ホームページ
  2. 福福通信
  3. 【竹の花、百年にして咲く】