2025.08.19
──シュウマイ奉行、涼を食卓に招くの巻──
暑気きびしき折、道すがらふと目にとまったは、まばゆきほどの青き花。
名を「サルビア・パテンス」と申す。別名「ゲンチアナセージ」。
その青、まるで夏空をそのまま閉じ込めたごとく清らかにして涼しきこと、風鈴の音色にも似たりけり。
この花、ただ見て愛でるに留まらず、香りの妙にて台所にて力を発揮すると聞きつけ、
拙者、シュウマイ奉行として黙してはおられなんだ。
「セージ(Sage)」とは、ラテン語の「Salvare(救う)」を語源とし、
古のギリシャ・ローマにては万病に効く聖なる草として重宝されしハーブなり。
さればこそ西洋にては「五月にセージを食せば長生きできる」との諺も伝わるほど。
また、豚肉の臭み消しにも用いられ、その香り高き力ゆえ、
豚肉料理の代表格たるソーセージの名の由来にさえなっておる。
…ん? 豚肉にセージ?
――これはまさしく、焼売と香りの邂逅ではござらぬか!
されど拙者、申しておく。
焼売はそのままの姿こそ至高。
あんにセージを混ぜては、風味が西洋に寄りすぎ申す。
中華点心としての誇りを損じることなきよう、セージは“脇に徹す”が肝要にて候。
そこで拙者、考えを巡らせた末に生まれたのが、この一品。
『パテンスとセージのハーブ塩』。
青き花 涼風まねく パテンスや
セージの香り 食卓の彩
この句と共に、Instagramにて披露いたした次第。
《材料》
《手順》
一口目はそのまま、二口目はハーブ塩にて。変化の妙をお楽しみあれ。
拙者が申すに、焼売とは形こそ小ぶりなれど、広き世界を包むもの。
和洋の知恵をうまくあしらい、香りを添えることで、
一層の「雅(みやび)」と「深み」を引き出せましょう。
「薬味は己を主張せず、肴を引き立てるが真の役目」
セージもまたしかり。
主役を張らず、ただ寄り添い、
焼売の美味しさを後押しする、隠れた功労者でござる。
🌿 青き花を眺めつつ、セージ香る塩で一献。
この夏、涼を招く点心の趣向──お試しあれ。
🌿 青き花を眺めつつ、セージ香る塩で一献。
この夏、涼を招く点心の趣向──お試しあれ。