2025.08.27
苦瓜という野菜、ただの苦味と思うなかれ。
地の果てまでも人々が工夫を凝らし、旨し料理へと昇華させたその姿は、まさに食の知恵の集大成にござる。
輪切りにした苦瓜に肉だねを詰めて蒸す、広東の家庭料理。オイスターソースで仕上げると中華らしい味わいに。
にんにく・トマト・玉ねぎと一緒に炒め、溶き卵で仕上げる優しい味わい。フィッシュソースが決め手。
くり抜いた苦瓜にスパイシーなポテトを詰め、オーブンまたはフライパンで焼き上げるベジメニュー。
豚肉を詰めた苦瓜を、鶏だしでじっくり煮るタイのやさしいスープ。ナンプラーで深みを加えます。
沖縄定番の夏料理。塩もみした苦瓜を、豚肉・豆腐・卵と炒めて仕上げます。
薄切りにしてさっと湯通しし、スパイシーな酢液でマリネするメキシカンスタイル。
ひき肉とトマトの旨味にスパイスを加え、苦瓜と炒めるボウル飯にも合うアメリカ南部風の一皿。
苦瓜と申せば苦いばかりと思われがち――されど拙者は申す、「完熟を知ってこそ、苦瓜の妙味ぞ」と。 熟しすぎた苦瓜はその果肉が黄色く変じ、中の種のまわりが赤くゼリー状となるのでござる。
その部分、実に甘し。まるで夏の名残のような優しき味わい。スプーンで掬って食すもよし、凍らせてシャーベットに仕立てれば、天然の冷菓となり候。
甘く熟す、苦き瓜。苦味の向こうに、甘みの余白がある。
── 世界の苦瓜レシピより
さて、ここまでご覧いただいた皆々様。
「苦いものには、辛いもの」――まこと、拙者の信ずるところ。
身震いするような暑さの日には、
あえて、“鬼の名を冠する辛き焼売”で目を覚ましては如何かな?